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ETFとインデックス・ファンドは、ともに特定のインデックス(N平均株価など)に追随することを目的として運用されます。
ただし、ETFと投資信託とを具体的に比較してみると、両者は似て非なるものであるということも確かです。
では、ETFと投資信託にはどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
まず、大きな違いは、どのように受益証券を売買(購入、換金)するかということにあります。
N平均株価やT(T証株価指数)に連動するインデックス・ファンドを含む一般の投資信託は、銀行、証券会社、保険会社などの、さまざまな販売会社を通じて、その受益証券を売買(購入、換金)します。
また、一般の投資信託は証券取引所に上場されることはありません。
一方、証券取引所に上場されているETFは証券会社を通じてのみ、売買(購入、換金)することができます。
取引される価格も一般の投資信託とETFは明確に異なります。
投資信託の取引価格は、同じ取引日であればいつ申し込んでも、その日に算出される基準価額となりますので、売買価格は単一です。
一方、ETFの取引価格は証券取引所の取引時間中に売り手と買い手の取引によって決まるため、単一の価格になることはありません。
つまり、時価で価格が決定され、取引した投資家によって約定価格は異なるのです。
ETFは上場株式と同じように取り扱われるため、取引価格はさまざまな要因によって刻々と変動します。
連動するインデックスの変動、需給関係、欧米やアジアの株価動向、(4)為替動向、(5)金利動向などの複合要因で、ETFの価格は絶えず変動しているわけです。
インデックスの変動によって影響を受けるETFの価格は、必ずしもそのETFの1口あたりの純資産価額と同じではありません。
この点で、基準価額で取引される投資信託と、時価で取引されるETFとは大きな違いがあります。
一方、N平均株価に連動する投資信託の売買価格は、その取引日に1回だけ算出される1口あたりの純資産価額(基準価額)になります。
基準価額は市場終了後、その投資信託を運用している投信会社によって計算されます。
日中どんなに株式市場が乱高下しようとも、各銘柄の終値をベースに計算された基準価額で売買されるのです。
言い換えれば、需給関係をはじめとする価格決定要因が、取引価格である基準価額にリアルタイムで反映しないのが投資信託であると言えるでしょう。
ETFの価格は、需給関係のみならず、あらゆる要因を反映して決定されます。
ETFは上場されていますので、そのETFを取引しようとする投資家の思惑によって、価格が随時決定される仕組みとなっているからです。
したがって、そのETFの需要が予想以上に高くなったときには、実際の純資産価額よりも高い価格で取引されることも十分に考えられます。
取引価格をそれほど気にしない長期投資家が多いのですが、いくら長期投資家といえども、投資信託の売買価格を自分で決められない不自由さを感じている投資家も少なくないのではないでしょうか。
株式市場は常に動いています。
長期的な観点で投資を考えている個人投資家であっても、まったくの勘で資産運用を取り組む投資家はまれなはずです。
投資信託の基準価額は、組み入れられている株式や債券の市場の終値をベースとして計算されます。
たとえば、T証一部上場の日本株に投資している投資信託であれば、組み入れられているそれぞれの銘柄の終値を使って基準価額を計算します。
一方、ETFの場合は、証券取引所の寄付(開始)から引け(終了)まで、価格は刻一刻変わっていきます。
経験の浅い個人投資家であっても、それなりの相場観を持って取り組んでいるわけですので、取引価格が単一である投資信託は、価格流動性という面では不自由です。
特に、株式市場が乱高下したときは、投資信託の売買を申し込んだとしても、市場が終了するまで価格が決まりません。
場合によっては、予想外の高値で買わなければならなかったり、予想外の安値でしか売れなかったりすることもあるのです。
自分が売買したい価格で取引できるという価格の流動性が、いかに重要かがおわかりになると思います。
販売手数料は、販売会社である銀行や証券会社に、購入の対価として支払う手数料のことです。
信託報酬は、運用の対価として、その投資信託やETFを運用する資産運用会社に運用資産の中から定期的に支払われる手数料のことです。
ETFの販売手数料と信託報酬の料率は、オンライントレードが主流となっている現在、投資信託と比べ圧倒的に低率になっています。
オンライントレードの手数料は年々低下してきており、現在、売買委託手数料率(約定ごと)の業界平均は0.3%を下回っています。
証券会社によっては売買委託手数料を一部無料に設定しているところもあります。
投資信託を金融機関の窓口を通して購入する場合、上限3%程度の販売手数料が必要ですので、その差は運用パフォーマンスにも大きく影響してきます。
たとえば、3%の手数料を徴求された場合、元本100で運用したものは、手数料差し引き後で考えれば97です。
たとえその投資信託が3%値上がりしたとしても、元本の100には戻らないのです。
(97×1.03=99.91)。
では、信託報酬に関してはどうでしょう。
やはり、この部分もETFが有利です。
なぜなら、ETFを運用会社が運用していく際の運用目標は、そのETFが連動する指数(N平均株価やTなど)です。
N平均株価もTも、組み入れられている銘柄は決まっています。
運用会社はそれらの銘柄を単純に買っていくだけですので、企業の調査能力や銘柄選択能力を問われることはありません。
つまり、ETFは運用成果にプラスの付加価値をつける必要がないわけです。
ある意味、あらかじめ指定された銘柄に資金を機械的に振り分けていく「作業」がETFの運用とも言えます。
したがって、運用会社としては、企業調査スタッフ、ファンドマネジャー、営業スタッフといった人件費、オフイス経費、宣伝広告費などの運用にかかわるコストを大幅に削減することが可能なのです。
一般の投資信託はこうしたコストを抱えながら運用していきますので、どうしても信託報酬がETFよりも高くなってしまうのです。
もちろん、投資信託のなかにも、N平均株価やTなどの指数に連動し、ETFと同じような運用実績を目指すインデックス・ファンドや、指数のパフォーマンスを上回るアクティブ型の投資信託も数多く存在しますが、トータルコストでは、やはりETFのほうが有利になっています。
2000年代に入り、ETFの運用資産が大きく拡大してきた背景には、ファイナンスの理論と技術の発展と運用技術の向上があります。
そして、その中で沸き起こったのが、ETFを含むインデックス・ファンドの成長を促してきた、「株式投資において、パッシブ運用が有利なのか、アクティブ運用が有利なのか」という議論でした。
つまり、ETFのように株価指数(インデックス)に追随する運用成果を目指すパッシブ運用と、株価指数よりも高い運用成果を目指すアクティブ運用では、どちらのほうが本当のところ有利なのか、ということです。
資産運用業界の神学論争といってもいいでしょう。
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